WHAT’S EMR
EMRとは
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EMR / Emergency Medical Responder とは、職業上対応義務者(医師・看護師・救急救命士・消防・警察・災害救護チーム・山岳救助チーム・ライフガード・アウトドアガイド・スポーツトレーナー・学校教職員など)のうちで一定の訓練を受けた、傷病者に対する初期対応のプロです。
EMRは北米やカナダにおいて、救急医療における重要な役割の一つを担っています。広大な土地が広がるカナダや北米において、救急医療サービス(院内救急チーム、院外救急チーム、救命士同乗の救急車など)が到着するか救命救急センターなどに搬送するのに、時間がかかる場所が多く存在します。しかし、救急医療を運用する余裕がない地域も少なくありません。そこで、救急医療サービスが到着するか救命救急センターなどに搬送するまでの間、傷病者の安定化を図り生命維持を助けるEMRの養成が求められています。
北米において、EMRは救急医療サービス(EMS)における1つの認証レベルとして訓練されています。しかし、EMRの言葉は「ファーストレスポンダー」「メディカルファーストレスポンダー」に置き換えられ広められつつあります。
カナダにおいては救急医療のシステムである、プライマリケアパラメディック(PCP)、アドバンスドケアパラメディック(ACP)、クリティカルケアパラメディック(CCP)へ繋がる第1歩がEMRであり、救命の連鎖の重要な役割を担っています。
傷病者初期対応が重要なのは、医療過疎地域だけではありません。施設の整った病院内であっても、救急車がすぐに来る状況の病院外であったとしてもその重要性は同じです。最初に傷病者に接触した対応者による正しい傷病者評価と安定化は、その後の結果に大きな影響を与えます。職業上対応義務がある方であれば、傷病者に対する初期対応のプロであるべきです。
どんな環境下であっても、傷病者初期対応に最善を尽くせる。それがEMR / Emergency Medical Responder です。
参考:カナダ救急協会EMRトレーニング項目 一部抜粋
(Paramedic Association Of Canada ウェブサイト引用一部意訳)
傷病者の尊厳(言葉、衣服除去、コミュニケーション、個人情報の管理など) |
職業上対応義務者として、傷病者対応に対する意識 |
関連する法律 |
罰則 |
犯罪現場における対応 |
対応者としての身体的要件 |
救急医療サービス(EMS)の一員としての考え方 |
感染防護 |
トリアージの原則に基づいた傷病者評価 |
複数傷病者に対する、役割の分類(診療所の医療者、EMS等含め) |
複数傷病者の管理 |
ヒヤリング、調査(アレルギー、既往歴、原因、薬、経口摂取など) |
一次評価 |
二次評価 |
傷病者評価の詳細(生命的危機、循環系、神経系、呼吸系、産科系、消化器系、泌尿器系、性器系、外皮系、筋骨格、目、耳、鼻、喉、新生児、小児、高齢者、肥満、精神系) |
バイタルサインの取り方と評価(脈、呼吸、血圧/触診、血圧/血圧計、皮膚色、瞳孔、意識レベル、血糖値) |
気道の開通(用手、経口エアウエイ、経鼻エアウエイ) |
気道異物除去(用手、口腔内吸引) |
酸素投与(鼻カニューレ、低酸素マスク、高濃度マスク、ポケットマスク) |
補助換気(用手的陽圧換気) |
BLS(医療者向け相当のCPR,AED) |
ファーストエイド(外傷、火傷、目の損傷、低体温、凍傷、骨折) |
投薬(適応、相対的および絶対禁忌、副作用、投与量パラメーター、および各投薬の安全な投与プロセスの特定) |
総合トレーニング : 評価/意思決定/精神運動スキル/介入(生命的危機、循環系、神経系、呼吸系、産科系、消化器系、泌尿器系、性器系、外皮系、筋骨格、目、耳、鼻、喉、新生児、小児、高齢者、肥満、精神障がい、身体障がい、終末期など) |
結果の評価、優先順位の再変更 |