医師・看護師・救命士・院外救護・子どもの事故防止普及団体など様々な専門家が、管理者責任下における「事故の防止と生命の維持」を目標に一つにまとまり、EMR財団は設立されました。

職業上対応義務者は、事故(以下、本文章における「事故」とは、外来・内的要因問わず急激かつ偶然に、身体又は生命が脅かされる状態となる事と定義)の防止に努めなければなりません。それは管理者責任として、実施しなければならない義務です。では、どのように防止していけばいいのでしょうか。事故の防止には以下の3ステップが必要だと言われています。

①危険の予見 ②危険の回避 ③事故が起きた際の傷病者対応

一度事故が起きるとまず①と②を含めた事前の安全管理体制が審議されます。ここに不備があると、大きな問題になるでしょう。一方安全管理が不備なく十分であったとしても、事故は突然起こることもあります。例えば病院内の予期せぬ急変や、水泳教室での溺水などもその1つです。万一の事故が起きてしまった場合、最後の砦が③の傷病者対応となります。

傷病者対応が不完全だった場合、救えるはずの命が失われれる事があります。そして、管理責任を問われる可能性も否定できません。

事故を避けるためには、職業上対応義務者としての傷病者対応技術や知識が必要です。医療者(所属によらず)であれば、生命的危機における兆候(呼吸・循環・神経系)の評価を実施し、適切に介入し、心停止の予防をしなければなりません。それでも心停止になった場合は、正確で迅速な心停止対応は必須です。医療者でない対応義務者(例えばアウトドアガイド、学校教職員など)であっても最低限、心停止の評価と、対応義務者としてのBLSはできなければいけません。また、医療者レベルでなくとも生命的危機の評価とファーストエイドは身に着けておくべきでしょう。

しかし、日本の現状を見るとそれが十分とは言えません。意識の向上も課題ですが、それ以上に職業上対応義者の学ぶ機会が少ない事が大きな課題です。医療者の場合、(所属にもよりますが)職場でそれらを学ぶ機会は少ないのが現状ではないでしょうか。また非医療者の場合も、BLSやファーストエイド講習の大多数は、一般市民向けに広く普及を目的としたものであり、職業上対応義務のある方に向けた教育はほとんど実施されていません。

EMR財団は、救護・救命に係る全ての職業上対応義務者(医療者・消防・警察・災害救護チーム・山岳救助チーム・ライフガード・アウトドアガイド・スポーツトレーナー・学校教職員など)に対応した、傷病者対応の普及を行い、その実践を支援いたします。

医師・看護師・救急救命士・院外救護従事者など様々な専門家から集約した技術、世界的に合意された医療情報の中から、職業に沿った傷病者対応を伝達し、その結果として不幸な事故を減らし生命の維持を図る。それが私どもの使命です。