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ガイドライン2020情報 「CPRコーチ」(AHA)

先日記載いたしました通り、AHAガイドライン2020ではCPRそのものに関する大きな変更点は少なく感じます。
しかし、質の高い心肺蘇生を現場で実施できることを目標にした方策が打ち出されています。
その一つが、[CPR COACH]の概念です。ガイドライン2020に合わせて発表された、BLS及びACLS等の教本に新たに記載が始まりました。
直訳すると、「CPRコーチ」でしょうか。AHAは、この仕組みによりCPRの質が高く保持されると認識しています。
それではCPRコーチって何でしょうか?
CPRコーチとは、心肺蘇生が必要な場面でのチームの役割のひとつです。
ご存知の通り、心停止傷病者に対する対応には多くの役割があります。
・リーダー(全体のコントロール役)・胸骨圧迫・人工呼吸・除細動(AED)・記録・タイムキーパー・院外では、集まった人への対応・状況確認のヒヤリング     等
病院内ではこれに、薬剤投与、酸素投与、モニターの経過観察、心停止の種別によっては心停止の原因を探る作業などの役割が追加されるでしょう。
ガイドライン2020の教本ではこの役割の中に、「CPRコーチ」が追記されました。
さて、リーダーとCPRコーチは何が違うのでしょうか。
ICLSやACLSのチーム蘇生を体験したことのある方であれば、リーダー役は思考をめぐらす方向が多方面にあり、CPRの質の管理まで手が届かない事を感じた方も多いのではないでしょうか。実際に業務として心停止傷病者の対応をしている方も、CPRの質の管理が難しい事を感じた方がいらっしゃるかと思います。
そこで、CPRの質を管理する人を別に作ろうという試みです。CPRコーチは、単独の役割である必要はありません。例えば、記録と兼任や人工呼吸側の人が行う事も可能です。AHAは、研究によるとCPRコーチの仕組みを取ることで、胸骨圧迫の中断時間が短縮されCPRの質が向上したと表記しています。
これは、チーム蘇生のトレーニングでも非常に良く現れます。例えば、5~6人で行う事が多いAHA-ACLSコースのチーム蘇生では、チームリーダーは「質の高いCPRが実施できているか確認」する事を求められています。
それを受け、ある受講者はリーダー役の際に「自分でCPRの質を確認をする」事を選択します。しかし実際に見れているのは、わずかな時間であることが多いです。リーダーはやることや考えることが多く、圧迫が浅くなっていても気が付かない事が非常に多いです。パッドを張らないで、除細動を実行しても気が付かない事もトレーニングの中では割とよくあることです。
一方で、CPR担当者に「CPRの質を確認して、声に出しあってください」と言うリーダー役の受講者がいます。自分では見切れないから、チームメンバーに、CPRの質を管理させる方法です。この場合、胸骨圧迫の質、人工呼吸の質などのチェック機構が働きますので、明らかに質が保ちやすい事が分かります。
これがCPRコーチの役割という事です。
当たり前の事のように思いますが、実際の現場ではうまくいかない事も多いかと思います。

AHAガイドライン2020では、CPRの質を高める「チーム」のトレーニングの必要性をより強く打ち出しています。1人法のCPRや2人法のCPRでいいスコアを出せただけでは、実際の現場ではうまくいかない事が多いです。その先にある、チームとしてどう動けるかが重要ではないでしょうか。
私どもでは、ファーストエイド・BLS・ACLSなどすべてに、「手技を身に着けた」先にあるチーム蘇生のトレーニングを実施しています。今後、CPRコーチもトレーニングに組み入れていく予定です。

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