1. HOME
  2. ブログ
  3. BLS
  4. 心停止の判断基準 反応の評価

TOPIX

トピックス

BLS

心停止の判断基準 反応の評価

はぁ

あれ?
ぴぴちゃん、何ぼ~っとしてるにゃ?

はぁ~~(しっぽパタパタ)

ぴぴちゃん!!

はぁ~~~~~(しっぽパタパタパタ)

だめにゃ。
意識がどこかにいっちゃって、ここにないにゃ。

ハッ。
意識がないという事は、もしかしたら心停止かも!

バカ。

意識が帰ってきたにゃ。
心停止から復帰したにゃ。

バカ2。
女のコが空想にひたってる途中に声をかけるなんて、引っ掻くわよ。

そもそも、意識がないと心停止の可能性があるって誰が教えたの。

もう一回この記事読み直しなさい。

心停止の判断に使うのは「は・ん・の・う」。

にゃ?
よくドラマでやってる「意識レベル30!だんだん落ちてます!」
とかと違うにゃ?

心停止の評価で見るのは「反応」


心停止の評価で使用するのは、「反応」です。
反応というのは、救助者からの投げかけに対して「アクション」が帰ってくることを言います。
救助者の「投げかけ」は、例えば以下の方法があります。

☑ 声をかける
☑ 肩をたたく

これらに対して、目で訴えかける、何かを話そうとする、手で何かを表現しようとするなど「アクション」が帰ってきたら、少なくとも心停止ではないと判断できます。

ではなぜ、「意識」ではないのでしょうか。

例えば、街中でぐったり寝ている60代男性に出会ったとします。
すでに、数人が救護にあたっていて、声をかけたりしています。
しかし目は開かず、弱い不規則な呼吸をしています。
声をかけ肩を叩く度に、弱いうめき声のような声を発し、目元の動きで何かを訴えようとしますが、言葉が全く分かりません。

仮に、救護にあたっている救助者に「意識ありますか?」と聞くと、「ありません」と返ってくる可能性はないでしょうか。
「意識がなく、正常な呼吸がない=心停止」と判断した場合、この傷病者は胸を押される可能性が出てきます。

しかし、自身の意思で返事をしようとしている(=反応がある)のであれば、この男性は少なくとも心停止ではありません。

「意識がある」「意識がない」の判断は、救助者の主観によって大きな差があります。
そのため、心停止の判断にかける時間のロスをなくし、判断を明確化するために「意識」ではなく「反応」で判断します。


でも病院ドラマだと「意識レベル」という言葉を、よく使っている気がするにゃ。

病院でも、心停止の判断としては「反応」で考えるよ。

じゃ、「意識レベル」は、いつ使っているにゃ?

心停止でないことが分かった後に、「意識レベル」って表現をするんだ。
心停止の評価→「反応」
心停止でないことがわかった後は→「意識レベル」
と切り分けると分かりやすいかな。

にゃるほど!

さっきのピピちゃんは、意識がなくなってたにゃ。
でも僕の呼びかけには「しっぽパタパタ」して反応してくれたにゃ。

だから、心停止じゃないと判断できるということにゃね。

君の呼びかけに答えたんじゃないから、勘違いしないで。

その判断のむつかしさは、レベル99にゃ。。。

反応の見方は理解したにゃ。
あ、でも、さっきの記事では、「反応」も判断に迷ったら「反応なしとみなす」って言っていたけど、それはどういうことにゃ?

身体が動いている=反応があるではない

 

心停止を起こしていても、身体が動いている場合があります。

☑ 心停止が起因したけいれん
☑ 死線期呼吸 → 次の記事で掲載
☑ 反射が原因の、本人の意思とは関係ない筋運動

そのため、身体が動いていたら、反応ありだと判断すると、重大な見逃しに繋がります。

反応は、「こちらからの投げかけに、本人の意思でアクションが返ってくることを確認する」のであって、「体の動きの有無を確認することではない」という考え方が必要です。

しかし反射が原因の筋運動の場合、本人の意思か、反射かの区別がつきづらいこともあります。

そこで心停止の見逃しを防ぐため、「判断に迷ったら反応なし」とみなし、次のステップである、呼吸の評価に進むことが提案されているのです。


にゃるほど。
ただ迷ったらやみくもに「反応なし」と判断するという意味ではないにょね。
きちんと「反応」の見方を理解した上で、それでも迷ったら「反応なし」とみなす目線が大事ということにゃ。

そうだね。
きちんとした見方を知っていることは大切だね。

さて、反応がない傷病者は、どういう対象になると思う?

対象?
質問の意図が分からないにゃ。

傷病者に反応がない場合、その傷病者は「心停止の可能性がある」と考えるべき、対象になるんだ。

反応がないと判断した=心停止の可能性を疑ったら、次に何を確認ればいい?

瞳孔、、、、、、、

呼吸の確認!
すぐに、呼吸を確認しようという行動が、重要と考えます。

ぴぴちゃん、そいうことね。
反応がないと判断したら、次のステップである、呼吸の確認が重要よ。

あ、くろまる君、先に何か言いかけた?

違うこと言いかけたにゃ。
ここは、「瞳孔」にかけて、、、、。

「どうこうかして、呼吸を確認」、と言おうとしたにゃ。
(うまいにゃ。座布団2枚にゃ。)

くろまる君その目、間違いをごまかそうとしてるわね。
あとで、反応がなくなるまでお仕置きよ。

そうしましょ笑

僕を「心停止の疑いあり」にするつもりにゃ!?

反応の確認 医療者の場合の追記

心停止を疑うことになったら、緊急度が一気に上がるのわかる?

はいにゃ。

だから、医療者としては、心停止の疑いがどれくらいあるか、早い段階で知りたいの。
出来れば、反応の確認の段階でそれを知っておきたいわ。

でも、肩叩いたり声をかけただけじゃ、判断が難しい場合も多いわね。
だから別の方法で、反応の確認をすることがあるの。

どんな方法にゃ?

い・た・み♡

傷病者を痛めつける可能性があるから、市民には通常教えていない方法だね。
声をかけても肩を叩いても反応がない傷病者に対して、医療者としての早い決断を下すために、痛み刺激を与えることがあるんだ。
痛み刺激に反応してくれれば、少なくとも今の段階では、心停止じゃないことが判断できるからね。

どうやるのにゃ?

できるだけ傷害が残らず、痛みの感覚を与えやすい方法として
相手の爪を強く押したり、、、、

、、、、、、、

胸骨を上からぐりぐりしたり、、、、。

、、、、、、、

さっき言ってたお仕置き、今、じゃすとなう、やる気メーター100%な2人がこっち見てるにゃ!!
目を合わせたら、負けにゃ。。

もちろんまだ医療者でない、くろまる君は肩をたたく、声をかけるの2点で反応を判断して大丈夫さ。
そして反応がないと判断したら、次の呼吸の評価が必要ということだね。

先生、くろまるをスルーして、話まとめるなんて優しすぎね笑
仕方ないからお仕置きはまたの機会でいいよ。

次に心停止の判断として、呼吸の評価を見てみましょ!

関連記事